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2006年3月22日 (水)

白夜行・最終回前妄想(2)

そういえば、最近、別のテレビ番組でも白夜行のサントラが使われているみたいですね。
思わず「笹垣…!」とか身構えてしまいましたよ(だって「本当は怖い家庭の医学」で何度も流れるんだもん)

最終回前妄想(2)というタイトルにしましたが、とりあえず私が勝手に思ってる亮司像でも好き勝手に書いてみました。

長くなった。


原作を読んだときから、雪穂の気持ちはさっぱり見えないけれど、亮司の人間的な部分(友彦や典子に対する接し方とか、おそらく最終話にあるであろう「切り絵」とか)に、とても惹かれていました。
ドラマの方の亮ちゃんてば、当初(2、3話の頃)は「原作の亮司はこんなヘタレじゃないしこんなに泣かない!」とか言われてたけど、私は結構すきだった。そこから、どんどん壊れていくであろう亮司を予感していたから。しかし、今思えば酷いよな…なにが「ダーク亮司発動」なんだか…ひどいよ私。
なのに10話の亮司ってば…なんていうか「悟りの境地」に近いものを感じる。少なくとも自分の命に対する執着は感じられない。

「俺は俺なりにあなたを明るい方へ連れだそうとした
でもそうすればそうするほどあなたを閉じ込めてしまったね
ごめんな・・・雪穂・・・・
他の愛し方なんて知らなかったんだ 」

亮司の母、弥生子もまた

「あの子はまだダクトの中にいる
押し込めたのは私
そういう人生しかあげられなくて、ごめん」

と同じことを言ってるのが、あまりにも辛すぎる。他の愛し方を知らない母と子。

亮司って1話でタイムマシンがあったら過去に行く、と言ってるように、ずっと「あのとき●●じゃなければ」「●●がなければ」と過去を悔やんで生きてきたんだろうなあ。

あんたが来てからうち、おかしくなったんだよ、親も、俺も(6話)
俺は雪穂と出会ったことを後悔し始めていた。 もし、雪穂と出会わなければ、 俺は人殺しになんかならなかった。 (1話)
「昔のアリバイをネタに、松浦って人に売春を強要されているっていう解釈でいいのかな? 」(3話)

そうやって、言い方は悪いけど自分のしたことを何かのせいにして逃げてきた人生。まあ、そういう性格だから雪穂に罪悪感を逆手にとった脅迫とかされちゃうわけで。
「●●のせいでこうなった」を能動的な言い方にすると「●●のためにこうした」と言い換えることができると思うのだけど、それが

雪穂の幸せは俺の免罪符だから(7話)

という言葉なんだろうね。
同じことを雪穂は7話で言ってるけど、雪穂の「免罪符」はまた別で、それはまた別の記事をたてて書くつもりです。
もし亮ちゃんが女に生まれてたらなんとなく、奈美江や典子みたいなタイプ(この2人も性格は結構違うんだけど)でないかな。相手に情を抱いてしまうのも似てる。奈美江は犯罪だとわかっていながら榎本に不正送金するし、典子は不倫相手に300万貸したり青酸カリを持ち出したり…。
ある意味、他人のために生きることに喜びを見いだすタイプっていうか、おひとよしっていうか、ダメ男や「バカ女」にひっかかるタイプっていうか。
結局、亮司は自分のためになにかしたことがあったんだろうか? と思わなくもない。

そういえば、この前から気になっていることがあります。
亮司は笹垣殺して俺もいなくなる、ということで笹垣殺害計画を実行に移すわけですけども(最終的には自ら襲いかかることになったが…)、これって、11歳の雪穂が母親を無理心中を図ったときと同じだということに、亮司は気付いてんのか。
あのときの雪穂は、

「■くんへ。
いつか、この手紙見るかな。
そう信じて、書くよ。
何があっても、多分■くんが思っている通りです。
後悔なんて全然してないけど、
本当は、私自身も一緒にいなくなるつもりだった。
私と■くんをつなぐものは、
とにかく全部消えてしまったほうがいいと思ったから。
だけど・・・肝心の私だけは残ってしまった。ごめん。
どうも私は 神様にに嫌われているみたい。
死んだら全部終わるなって、心のどこかにあったズルを
見逃してもらえなかったみたい。
だけど、こうなったらどこまでも生きてやろうと思います。
親を殺してまで、手に入れた人生だから。 」

というふうに、生き残ってしまったけれども、亮司は…。
彼の今の状態を見てると、もう痛々しくて見てられないのだけど、やっぱりどこかで「死ねば楽になれる」と思ってるんだろうなあ、とは思う。でも、それを「逃げだ、卑怯だ」とは言えない…。

正直、罪を償う、ということがどういうことなのかよくわからなくなってきた。
亮司がしてきたことも、雪穂への贖罪、とも言えるし。
いわゆる「刑事罰」は起訴されなければだめだし、「民事罰」だって、慰謝料を払うとか謝罪広告を出す、とか目に見える形の方法でしかないし。
かつて、谷口真文が亮司にいい、亮司が「幽霊からの伝言」としてBBSに書き残した、

「本当の罰は心と記憶に下されると伝えてください。
飲み込んだ罰は魂を蝕み、やがて、その身体さえ
命さえ食い尽くす」

この言葉が重い。

<追記>
亮ちゃん絡みで印象に残ってるシーンを無造作にあげてみる。
・当初はあまり思い入れのなかったオープニングの2005年12月25日のシーン。今見ると「行って」だけで泣ける
・1話の子供時代、雪穂とのやりとり「チャゲ的な悲しみには興味ないか」
・1話ラストの笹垣とのシーン
・2話の屋上で昇る朝日を見つめるシーン
・3話、「自分の死ぬ船」を見つめてる亮ちゃんと松浦
・4話の雪穂のストーカーぶり(雪穂が篠塚に気持ちが揺らいでると気付いた瞬間がすごいよ)
・やはり5話ラストの「騙される方が馬鹿なのよ」→雪穂に観葉植物を投げ付けたときの表情、は外せない。
・6話の友彦との銭湯シーン(笑)
・松浦との絡みすべて(ある意味、雪穂とのシーン以上にSMっぽい)
・7話で屋上から足をぶらぶらさせてるところ
・8話のR&Y開店を見てる後ろ姿
・9話「さむくない?」といい、ああやって年上女をたぶらかしおって、とか思わずにはいられない…
・「正しいことなんて言われなくてもわかってるんです」
・10話ラスト(笹垣ノートを見て涙がこぼれるところからの一連の流れ。笹垣に襲いかかるところがかなりいいです)

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