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2006年3月24日 (金)

白夜行を見た(とりあえずの最終話)

1時間は短すぎるよ。
まあ、先週と同じように最初は「何この総集編パート2」とか、「何この亮ちゃんのリアリティあふれる身の上話(私もドSなので、ここまでやってくれるといっそ清々しいというか…言い方は悪いけど)」とか思ってたのですが、1話の時のみ流れたあのエンディングを見て、言い様のない気持ちになった。
あの時は、「なにこのセカチューぶり」とか思ったんだけど…今、見ると、ただ、ただ哀しい。
ちょうど、はじめて原作を読んだときの感覚を思い出した。
あのとき「これで終わり? えっ?」と思って最終章をもう一度読み直したのですが、今回も最終回をもう一度見直した…。

・歩道橋での笹垣と亮司のシーンを見て、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」を思い出しました。地獄に堕ちた極悪人カンダタ、だけど生前に一度だけやった善行(小さなアリを助けた)を知っている仏陀が、細い蜘蛛の糸をたらしてカンダタを地獄から救い出そう、とする話。
笹垣が、今まで亮司が犯した罪をひとつづつあげ、最後に「2004年12月、笹垣潤三殺人未遂、および救助」「2005年、栗原典子に一子誕生」笹垣が垂らした、蜘蛛の糸。「子供に十三階段昇る後ろ姿を見せろ」「おまえはたったひとりを幸せにしようとしてきたんだ」と。
だけど、亮司はその糸を拒んだ。
「お返し」と言いながら、笹垣の手に握られていた「父親殺しのハサミ」を自らの腹にさし、自ら身を投げた。10話の感想の最後のほうで、書いたことなんですけど…あのハサミは父親殺しの象徴だ、と。最後の父親殺しは、自分だったんですね。
「お返し」って、どういう意味だったんだろう…。まだ、今の段階では私には理解できません。

・「嘘に嘘を重ねる人生」…亮司を失った後、庭に埋められていた松浦の件で取り調べを受ける雪穂。そこで彼女は自分と亮司の関係を、はじめて明かします。「桐原亮司は、私の初恋でした」…嘘をつくのに一番効果的なのは、真実を少し織りまぜること。そうやって、何が本当で何が嘘なのか、わからなくなってしまった物語を作り上げてしまった。
たったひとり、R&Y2号店で座り込む雪穂。
あの日、建築中のビルの中にたたずんでいたときのように、あのダクトから、亮司が来ることを待ち望みながら。
だが、亮司は2度と雪穂の前には現れない。
そうして、あんなに待ち望んでいたはずの「時効の日」がやってきた。だけど、もはや雪穂には一緒に手を繋ぎたかった亮司も、守るべきタラの大地も、何も残されていなかった。
亮司が死ぬまでずっと抜け殻だったように、雪穂も抜け殻になりながら、それでも生き続けるっていうのは、どういうことなのかな。
「わたしには太陽なんかなかった、いつも夜。それでも太陽にかわるものがあったから」
そして、ラスト。
太陽の下、小さな子供の手をにぎる雪穂。表情はわからないけれど、私にはなぜか、あの口元だけが微笑みを浮かべているように思えた。いや…決して「砂の城(一条ゆかりのマンガで、以前、昼ドラにもなった話。かつて愛し合った2人は引き裂かれ、男と別の女との間に生まれた子供とヒロインがやがて愛し合う…ていう内容)」を思い出したわけではない。たぶん。

以前に書いた「私的白夜行の読み方」という記事。亮司は雪穂に喰い尽くされ…と、その記事で書いたのだけど、宿主を失って抜け殻になった雪穂は、それでも生きなければならない、と喰い尽くし、己の一部となった亮司に言われてるんだな。きっと。ある種、究極の共生だなあ。

また、最終回や白夜行自体について思うことを書くつもりです。
とりあえず、DVDの予約をしないと忘れてしまう。
あと、早く写真集来ないかな。

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